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今井和子先生に聞く 0・1・2歳児の眠りとは〜第1回 家庭での生活リズムを把握して子どもに合わせた環境をつくる〜

新 幼児と保育
更新日:2024/05/14 掲載日:2021/04/13
今井和子先生に聞く 0・1・2歳児の眠りとは〜第1回 家庭での生活リズムを把握して子どもに合わせた環境をつくる〜

これまで一心同体のように世話をしてもらっていた大人から離れ、まったく新しい人や場での生活がスタートしました。そんな環境の中で乳幼児が安心して眠れるようになるために、大切なことは何でしょう。

乳幼児保育歴の長い今井和子先生に、ヒントを教わります。
第1回は「家庭での生活リズムを把握して子どもに合わせた環境をつくる」です。

(この記事は、『新 幼児と保育』増刊『0・1・2歳児の保育』2018年春 に掲載されたものを元に再構成しました)


監修

今井和子先生
「子どもとことば研究会」代表。二十数年間公立保育園で保育者として勤務。その後、東京成徳大学教授、立教女学院短期大学教授などを歴任。現役保育者であったころからの経験をもとに、全国の保育研修なども行っている。著書に『0・1・2歳児の担任になったら読む本 育ちの理解と指導計画【改訂版】』『0歳児から5歳児 行動の意味とその対応』(ともに小学館)など。


眠れるということは園に慣れてきたあかしです

子どもが新しい環境に慣れるためには、1か月ぐらいかかります。情緒が安定しない0歳児は、さまざまな非言語サインを保育者に送ってきます。泣いて訴えるのはもちろん、寝つきが悪くなったり、ミルクを飲まなくなったりなど、その多くは基本的な生活に関連することです。環境の変化から生じるストレスが、生理的生活リズムに影響するのです。

日常的生活活動の中で、最もベースになるのが、その生理的生活リズムをつくること。中でも0歲児の生活リズムづくりは、睡眠リズムを整えることからスタートします。そのためには、今までどういう生活を送ってきたか、家庭での様子をどれだけ理解できるかが重要です。午前寝する子としない子、おんぶをしないと寝ない子、抱っこしてよく寝かせてからベッドへ移す子など、保護者と綿密に連絡をとり、一人ひとりに合った寝かせ方をつかむことが大切です。

子どもが家にいるときと同じように眠れるようになったというのは、園に慣れ、安心できるようになったあかしといえます。つまり、0歳児が園生活に対応できているかどうかは、睡眠の変調の有無が重要なサインなのです。精神生活が安定するように、安心して眠れる状況を作ってあげたいですね。


家庭での生活リズムを把握する


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文/大石裕美 イラスト/奥まほみ

 

この記事の出典  『新 幼児と保育』について

新 幼児と保育

保育園・幼稚園・認定こども園などの先生向けに、保育をより充実させるためのアイデアを提案する保育専門誌です。

 

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この記事の連載

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